シティ・ウォッチ・スクエア

風に吹かれ、波の音を聞き、土に触れ、地域の環境を知り、未来を考える

TEL.050-5586-0381

〒251-0023 神奈川県藤沢市鵠沼花沢町1-14

2014年

台風16号が渦度の高い温帯性低気圧を産んだ

9月25日0時頃台風16号は東シナ海で勢力を失って、台風の暖気が寒気と接触したことでひときわ過度の大きい温帯性低気圧が発生しました。低気圧は東進しながらすぐに閉塞前線を作り、中心から南西の広い雨域(東海地方)に大雨をもたらしました。この雨雲は初め丹沢にも少雨を降らせましたが、やがて南下し、箱根、伊豆を乗り越えること無く、小田原付近では消えています。県内では厚木、横浜、藤沢など点々と降らせていましたが、やがて雨はあがりました。寒冷前線が中心から南西に長く伸びていますが、午後2時〜3時頃には激しく動く雲が浮かぶ青空となり、10〜15m/sの強風が吹きました。

午後2時半頃から次第にそれまで雲は全くなかった関東平野一体に雲が出始め、やがて発達して雨雲になっていきました。おそらくこの台風がもたらした湿った大気を大量に含んだ温帯性低気圧が通過した後に、上空に寒気が入ってきたからではないかと思われます。日射により地上気温が高く水蒸気量は多い空気と、上空の寒気との温度差が大きくなり(不安定になり)積乱雲が生じました。藤沢も少雨が降りました。その後南寄りの強風がやむとともに、北風に変わり涼しくなりました。藤沢AWSからそのことがよくわかります。台風の消滅によりその熱エネルギーが温帯性低気圧にどのように引き継がれていったか?を考える大変興味あるデータです。

91年前の大正末期にはまだ天気図は作成されていましたが、気象情報を国民は知らすシステムは出来ていませんでした。台風とそれに伴う温帯性低気圧からのびた寒冷前線通過による強風のふく中、大地震が発生し大災害になったのです。新聞に天気情報が掲載されたのは翌年、ラジオ放送が始まったのは3年後の昭和元年のことです。

図1 台風16号(999hPa)と閉塞前線を伴った温帯性低気圧(1002hPa)      気象庁天気図(左:14日3時、右:同日18時)より

1409240314092418

 

図2 気象庁レーダーナウキャスト(左:25日10時、右:同日18時)

201409251000-00201409251800-00

 

図3 藤沢AWS(上段:風向=青色、表示の180度は南風、赤色は最大風速10〜15m/s)

(中段:赤色:気温、緑色:湿度)(下段:黄色:日射量、水色:降水量) 藤沢AWSより

台風16号から温帯性低気圧へ

 

台風16号が消滅し渦度の高い温帯性低気圧が接近

台風16号が東シナ海で消滅(最大風速が弱まり)し、寒気と接触したことで台風の運んできた熱エネルギーが渦度が大きい温帯性低気圧を産みました。低気圧は進みながら閉塞前線を作り、南西に伸びた寒冷前線の南側にある雨雲を伴って名古屋に大雨をもたらしました。この雨雲は初め丹沢にも少雨を降らせましたが、やがて南下し、箱根、伊豆を乗り越えること無く、下降気流で小田原にはふらせませんでした。県内では厚木、横浜、藤沢など点々と降らせていましたが、やがて雨はあがり、午後2時〜3時頃には激しく動く雲が浮かぶ青空となり、予想通り10〜15m/sの強風が吹きました。

(91年前の9月1日は九州から台風が上陸し、瀬戸内海を抜け正午頃北陸に達したころに地震が発生しました。台風は弱まって前線をともなう温帯性低気圧が通過時に30m/sの強風がふきました。火災の同時発生が火災積雲を産んで火災旋風を発生させ大勢の人々の命を奪いました。)

さて、9月25日午後2時半頃から次第にそれまで雲は全くなかった関東平野一体に雲が出始め、やがて発達して雨雲になっていきました。温帯性低気圧に伴う寒冷前線が箱根や伊豆半島で雨を降らしている間関東平野はよく晴れていました。そのため関東平野は日射が強かったようです。そこへ上空から寒気が入ってきたので地上との温度差で(不安定になり)積乱雲が生じたのだろうと思います。この積乱雲は東京や藤沢も雨をふらせました。積乱雲はやがて房総半島から東に抜けました。

1409241814092503

藤沢AWSの2日間の情報では南寄りの強風がやみ北風に変わり涼しくなったことがわかります。

台風16号から温帯性低気圧へ

2050年の天気予報、が発表されました。

国際連合の専門機関、世界気象機構(WMO)が、主要な国に依頼して作成したもので、日本ではNHKが製作しました。

地球温暖化が進んだ時代の天気予報です。URLは以下のとおりです。
http://www.wmo.int/media/climatechangeimpact.html

または、直接Youtubeのサイトへ (林)

消費生活展 終了しました。

下記の日程で行われました。

9/6(土)  1日目: 9:30(集合)~ 17:00(展示終了)
9/7(日)  2日目: 9:30(集合)~ 15:00(展示終了)

以下のパネル展示を行いました。また、チラシを配布しました。簡易型ソーラークッカー(ききょう)の製作は、天候が不順でしたが、予定の10組を完売しました。ご協力頂いたスタッフの方々、ありがとう御座いました。

消費生活展 パネル発表の内容1

消費生活展 パネル発表の内容2

消費生活展 チラシ(配布資料)

台風11号の降水量‐藤沢AWSの記録‐

台風11号通貨前後の藤沢AWSの記録(水色が降水量)

台風11号通貨前後の藤沢AWSの記録(水色が降水量)

台風11号による一連の雨の降水量は、66㎜でした。集中した時間は15時間程度?だったでしょうか。また、一時間降水量のピークは20㎜(8月10日の正午前)でした。最近、時間降水量が80㎜や100㎜といったニュースがあります。20㎜/時でも、異常な感覚だったので、この何倍も強い状態は、体験しないと分からないでしょう。

梅雨明け予告雷雨

相原です。20日夕方雷雨注意報がでていたので気象庁のレーダーナウキャスト(左)と21日に専門天気図(右)を調べました。

雷雨レーダー20140721高層500hPa

7月20日20時55分のレーダー図(左図)ですが、県北部〜中央部にかけて雷雲が出ていますが、アニメで見ると北西風によりから南東に動いています。一方、三宅島付近は南西風で北東に動いています。20日21時(日本時)の上空5000mの高層天気図(右図)で関東地方あたりの風向を見ていただければ雷雲の動きが納得できます。

20日21時ごろの藤沢CWSの地上データ(下図の右端)は南風ですが風速が弱くなっています。この後、雷雲は消えてあまり降りませんでした。最近2日間は日中日差しがあるときは28℃を一時的に上がりましたが、25℃以下の気温で涼しい日が続いていました。この寒気が東に抜けていき、太平洋高気圧に覆われた四国中国地方は20日、九州北部、近畿、東海地方が21日に梅雨明け宣言しました。関東北陸地方は22日に梅雨明けとなるでしょうか。

雷雨CWS

 

台風一過の空に現れた雲

台風8号は、西日本に大きな被害を及ぼしました。時間雨量が80mm以上の雨の頻度が30年まえの1.7倍になっているという報道がありました。特に、都市型の災害の一つとして、河川氾濫や道路冠水による被害が顕在化しているように思えます。

さて、台風一過の空に現れた層積雲の一種と思われる雲の写真です。横浜市の都筑付近で7月11日の昼頃です。友人からの情報を投稿させてもらいました。珍しい形状なので移動中の車中からiPadで撮影したそうです。

藤沢AWSでは南風が強まり、気温が30℃に近づいた状況でした。

140711_130127

桜の季節に寄せて-温暖化で桜開花期間は短縮する

地球温暖化により、桜の開花日が早まる傾向がある。詳細には、冬季に低温に遭遇するか否が関わり、季節毎の気温変化特性が関係して開花に至るため複雑である。同時に、開花から満開までの期間も変化することが考えられる。

もしも、花見ができる日数が減れば、市民が楽しむ機会が減ることになる。観光産業にとっても、観光資源が減少するという負の影響が現れるだろう。塚原・林(2011)は、過去のデータから開花期間をモデル化し、これに地球温暖化の将来予測結果を条件に用いて全国の開花期間がどのように変化するかの予測を行った。

今世紀中頃に、現在よりどれだけ差が出るかを図に示す。地域による特徴を見ると、東北ほかの地域で開花期間が短くなる割合が大きく、九州地方などは小さい。この理由として、気温の昇温幅が他地域に比べて小さいことが考えられる。現在気候の条件では、全国平均して8.3日で開花から満開に至るが、2046~2065年までに2.1日減の6.2日で満開に至るようになる。

盛岡は現在、5月のゴールデンウィーク頃に桜が咲くことが多く、この時期に「さくら祭り」が開催されており欠かせない観光資源となっている。しかし近年は開花日が早まり、ゴールデンウィークには咲き終わってしまう年が増えていることが指摘されている。今世紀末になると、現在も6日弱と開花期間の短い北日本の盛岡では約3日に、現在の半分近くに短縮してしまうと予測される。確実に、ゴールデンウィークまでには桜は咲き終わってしまう可能性が高い。

(図の出典 塚原あずみ・林 陽生,2011:温暖化がサクラの開花期間に及ぼす影響.地球環境,17 「季節現象特集号」)

今世紀中頃における桜開花期間の変化(現在との差の分布) (塚原・林,2011)

今世紀中頃における桜開花期間の変化(現在との差の分布) (塚原・林,2011)

桜の開花と満開

桜は夏頃に翌春咲く花のもとになる花芽を形成し、休眠に入ります。花芽は冬の低温に一定期間さらされると休眠から目覚めます(休眠打破)。開花宣言は各気象台や測候所の定めた標本木の花が1枝に5〜6輪開いた状態で出されます。標準木は神奈川県は横浜山手台地にある横浜地方気象台の横浜市元町公園にあります。藤沢では標準木はありませんが、かつて県立総合教育センターの地学の職員が観測を続けていた時期には、食堂前のソメイヨシノで記録していました。写真左は4月1日の体育センター(善行)の満開の様子、写真右は県立総合教育センター西方向の巻層雲です。

体育センターソメイヨシノ桜満開県立総合教育センター巻層雲ひこうき雲

2014年の横浜での開花は3月25日で、満開は31日でした。2月の気温が例年より低く推移したので休眠打破から花芽の成長がスムーズに進み、3月21〜24日の気温上昇が早期の開花につながったと思われます。

 

 

海風と陸風

3月22日(土)から海風と陸風のパターンが安定して出ています。帯状の移動性高気圧に覆われた24日(月)が一番顕著です。このことはウェザーニュースの局地天気図を合せて見るとさらによくわかります。日射量の変化は晴天であること、南風が最も強くなった後に湿度が上昇し、北風が入ってしばらくして湿度が下がっています。また日に日に日中の気温も上昇し、25日東京(靖国神社)や横浜(元町公園)では桜も開花しました。26日(水)は午後から雨の予報です。31日藤沢(善行体育センター〜聖園女学院)では満開になりました。

2014-03-25AWS藤沢SPAS_032412気象庁