今冬一番の寒気が去り、今日は小春日和となりました。午後になって、時折巻層雲が広がり、幻日(Sun dog)が見られました(角田)。
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地球温暖化の研究に大きな役割を果たすIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が1988年に設立された。最も大きな役割は、レビューに耐える研究成果を世界中から集約し、地球温暖化に関する国際的なコンセンサスを形成する点にある。合意の結果は、COP(気候変動枠組条約締約国会議)における政策検討のための重要な情報源である。
1990年に公表された第1次評価報告書では、2100年までに地球の平均気温が3℃上昇することを示した。続いて1995年に第2次評価報告書が刊行され、地球温暖化がすでに起きている証拠があると指摘した。その後2001に第3次評価報告書、2007年に第4次評価報告書が逐次刊行されたが、そのたびに最近100年間の気温上昇率は高まっていることが示され、世界のほとんどの生態系が温暖化の影響を受けている実態が明らかになった。
これまでに紹介したものの他、幾多の学術上の論争を経て、地球温暖化の曲線のコンセンサスも形成されるに至った。長い間議論の的となってきた都市化による気温上昇の影響に関して、IPCCの第4次評価報告書では、最近100年間に0.74℃/100年の率で全球平均気温が上昇したが、陸上のヒートアイランドによる気温上昇率はこれより1オーダー小さい規模であること、同時に海上には都市(人工的熱源)は存在しないことから、最終的にヒートアイランドが地球温暖化に及ぼす影響は無視できるとされた。本シリーズの第2回に解説した地球温暖化の曲線群は、この第4次評価報告書に掲載されている。
続く第5次評価報告書(IPCC、2013)では、1880~2012年で0.85℃上昇したことが明らかになった。このほか、海洋の環境変化(水温上昇や酸性化)を詳細に示した点に、それまでの評価報告書にない特徴がある。具体的には、海洋の上層(0~700m)でほぼ確実に水温が上昇していること、3000m以深の深層でも上昇している可能性が高いことを指摘した。海洋の温暖化は、気候システム全体に蓄えられたエネルギーの大きな受け皿と考えられているが、その実態の一部が明らかになったのである。
気温変動の時系列の特徴についても新しい見方が生まれた。地球温暖化の上昇が鈍っているように見えるハイエイタス(hiatus)と呼ばれる現象が、21世紀に入り起こった(図参照)。ハイエイタスの用語は「活動の停滞」という意味を持つ。図には、これまでに示した温暖化曲線に加え、近年の変動が続けて描かれている(黒色:英国気象庁による解析データ、オレンジ色:アメリカ海洋大気庁国立気候データセンター、藤色:アメリカ航空宇宙局ゴダート科学研究所の解析データ)。上段は1961~1990年の平均からの偏差の年年変動、下段は10年ごとの変化の平均と標準偏差が描かれている。
最近(2000年代)に現れたハイエイタスには次の要因が考えられる。ただし、現時点ではどれも一説にすぎない(すぐに真実が明らかになると考えられる)。考えられているのは、近年に太陽黒点数が減少していることから知れるように太陽活動の不活発化、過去の火山噴火などによるエアロゾルが成層圏に到達して長期間滞留することで地球に到達するエネルギーが減少したというものだ。また、温室効果ガスの増加率そのものが鈍化していることも指摘されている。このほか、単なる気候システムがもつ自然の揺らぎ、さらにこの期間に同時にラ・ニーニャの状況が継続する傾向が現れていることから、東部太平洋の海面水温が低い影響などが考えられている。このような、未知の現象を理解するための知的水準の変化は、1960~1980年ころに起こったグローバル・ディミングの時代、つまり寒冷化、氷河期への回帰が取りざたされた時代の状況と比較して考えると非常に興味深い。
日時:2016年1月29日(金)14:00-16:30
会場:ベルサール神保町 Room3-5(東京都千代田区)
先日フランスのパリで開催されていたCOP21(
第21回締約国会議)では、経済・産業・
変動を防ぐため、法的枠組み「パリ協定」が採択されました。
地球の気温上昇を産業革命前から1.5℃・2℃
に向かって、継続的に対策を強化し、化石燃料ゼロ、
100%の未来に向けて舵を切ることになりました。パリ協定、
のあり方に大きな影響を与えることは間違いありません。
そこで、来る1月29日、東京にて、
1990年代から国連気候変動交渉を継続的にフォローし、
したNGOメンバーが、パリ会議の成果や日本の経済・
ついてお話します。
日時:2016年1月29日(金)14:00-16:30(
会場:ベルサール神保町 Room3-5(東京都千代田区)
*アクセス<http://www.bellesalle.
参加費:一般・1000円、学生/CAN-
学生かつCAN-Japanメンバー団体の会員・無料
●第1部:「COP21パリ会議の成果を語る」
講演「パリ協定と温室効果ガス排出削減・資金・法的意味」
小西雅子(WWFジャパン)
講演「気候変動への適応、損失と損害」
小野寺ゆうり(FoE Japan)
●第2部:「COP21パリ発のメッセージを読み解く」
講演「脱炭素化へ躍動する世界経済~パリ発のイニシアティブ~」
平田仁子(気候ネットワーク)
講演「日本のビジネス、政府、自治体へのメッセージ」
山岸尚之(WWFジャパン)
●第3部:Q&Aセッション「COP21パリ協定の意味を探る」
司会:伊与田昌慶(気候ネットワーク)
*本プログラムは暫定版です。予告なく変更する可能性がございま
最新情報はCAN-Japanウェブサイトにてご覧ください。
<http://www.can-japan.org/
問合せ・申込み:Climate Action Network Japan(CAN-Japan)
京都市中京区帯屋町574番地高倉ビル305気候ネットワーク内
TEL: 075-254-1011 FAX: 075-254-1012
E-mail: secretariat@can-japan.
Website: http://www.can-japan.
主催:Climate Action Network Japan(CAN-Japan)
CANは、世界で気候変動問題の解決のために活動する100ヶ国
からなるNGOのネットワークです。CAN-Japanは、CA
14団体からなり、国連気候変動交渉に参加し、国際的NGOネッ
連携しながら政策提言や情報発信に取り組んでいます。
CAN-Japanメンバー団体(14団体・順不同)
350.org Japan
自然エネルギー財団
レインフォレスト・アクション・ネットワーク日本代表部
環境エネルギー政策研究所(ISEP)
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
地球環境市民会議(CASA)
国際環境NGO FoE Japan
コンサベーション・インターナショナル・ジャパン
グリーンピース・ジャパン
オックスファム・ジャパン
WWFジャパン
気候ネットワーク
Office Ecologist
ピースボート
*CAN-Japanへの参加を希望される団体は次のウェブペー
<http://www.can-japan.org/
本イベントは、平成27年度独立行政法人環境再生保全機構地球環
助成を受けて開催します。<http://www.erca.
以上
愛媛県大洲市から瀬戸内海へ流れる肱川の河口では、しばしば霧が強い気流となって流出します。しかしなかなか発生のチャンスに巡りあいません。大洲盆地では霧の層の下では畑で白菜栽培が行われています。霧は質のよい野菜の栽培に必要と言われています。
今回の写真は、松岡 諒さんから届きました。