地球温暖化が進んだ時代の天気予報です。URLは以下のとおりです。
http://www.wmo.int/media/climatechangeimpact.html
または、直接Youtubeのサイトへ (林)
TEL.050-5586-0381
〒251-0023 神奈川県藤沢市鵠沼花沢町1-14
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地球温暖化により、桜の開花日が早まる傾向がある。詳細には、冬季に低温に遭遇するか否が関わり、季節毎の気温変化特性が関係して開花に至るため複雑である。同時に、開花から満開までの期間も変化することが考えられる。
もしも、花見ができる日数が減れば、市民が楽しむ機会が減ることになる。観光産業にとっても、観光資源が減少するという負の影響が現れるだろう。塚原・林(2011)は、過去のデータから開花期間をモデル化し、これに地球温暖化の将来予測結果を条件に用いて全国の開花期間がどのように変化するかの予測を行った。
今世紀中頃に、現在よりどれだけ差が出るかを図に示す。地域による特徴を見ると、東北ほかの地域で開花期間が短くなる割合が大きく、九州地方などは小さい。この理由として、気温の昇温幅が他地域に比べて小さいことが考えられる。現在気候の条件では、全国平均して8.3日で開花から満開に至るが、2046~2065年までに2.1日減の6.2日で満開に至るようになる。
盛岡は現在、5月のゴールデンウィーク頃に桜が咲くことが多く、この時期に「さくら祭り」が開催されており欠かせない観光資源となっている。しかし近年は開花日が早まり、ゴールデンウィークには咲き終わってしまう年が増えていることが指摘されている。今世紀末になると、現在も6日弱と開花期間の短い北日本の盛岡では約3日に、現在の半分近くに短縮してしまうと予測される。確実に、ゴールデンウィークまでには桜は咲き終わってしまう可能性が高い。
(図の出典 塚原あずみ・林 陽生,2011:温暖化がサクラの開花期間に及ぼす影響.地球環境,17 「季節現象特集号」)
地球温暖化は農業へ影響する。特に、主な食糧である水稲の収量がどう変化するかを知ることは重要だ。水稲収量の変化は、気温上昇や降水量の集中化(時間的・空間的に)ばかりでなく、日射量の変化にも関係している。日本の水稲栽培は、水田の灌漑がゆきとどいているので、結局、気温と日射量がどのように変わるかがポイントになる。
水稲収量が、気温と日射量の両者に依存する実態について、田中(2011)が興味ある図を作成した。横軸は播種から出穂までの積算気温、縦軸がその期間の平均日射量、図中の色分けは収量の水準を示しており、赤が最も高収量の場合で、次いでピンク、薄ブルー、青の順番に収量が低くなる。この図を見ると、まず、気温と日射量の間には正の関係がある。これは当然だ。加えて、高収量の場合の集合が日射量が多い方向へシフトしているように見える。すなわち、同じ温度条件でも日射量が多い栽培環境のもとで収量が高いことを示している。
換言すると、地球温暖化の条件のなかで、高温で日射量が少ない変化が起こる地域や年には収量が減少すること、高温でも日射量が多ければいわゆる高温障害による減収のリスクが小さいことが示唆される。図の中の一つ一つのプロットは、異なる地点を示すだけでなく、同一地点でも異なる年の結果を代表している。
地球温暖化は、大気中の温室効果ガス濃度の上昇によって引き起こされる現象(温室効果)である。その実態を知るには、例えば都市の気温上昇を取り除いて考える必要がある。これは重要な点で、これまでに世界中でさまざまな研究・議論が行われ、IPCCは、第4次評価報告書のなかで、地球温暖化のトレンドを0.74℃/100年と結論づけた(IPCC, 2007)。都市の影響が及ばないと考えられる筑波山の山頂で、過去100年に及び気象観測が行われてきた。この点に注目し、観測開始以来の気温データを解析して気温変化のトレンドを求めたものが図(中津留, 2011)である。これを作成するためには、気象観測原簿の数値の読み取りとデータベース化、欠測データの補正、日平均気温算出方法の違い(観測時刻の違い)による誤差のチェック、さらに観測場所の変遷など、多くの地道な検討が必要であった。とりあえず見て頂くと、筑波山頂では、東京やその他の大都市、また気象庁が定義している都市の影響が少ない気象官署の平均値(17地点の平均値)のどれよりも気温上昇トレンドの小さいことがわかる。詳細は、中津留ほか(2011)日本気象学会誌「天気」58巻に公表されている。こうした特徴がなにを意味するか?今後、皆さんと考えてみましょう。
(関連文献 中津留高広・林 陽生・上野健一・植田宏昭・辻村真貴・浅沼 順・日下博幸,2011:筑波山(男体山)の過去100年間における気温の長期変動.天気,日本気象学会,58,1055-1061)
少し複雑なタイトルですが、こうした議論を経て、地球温暖化(とは何か?)に対する認識が深まることと思います。筑波でプロジェクト運営を一緒にしていた仲間の一人で、国立環境研究所に所属する研究者の講演内容です。地球シミュレーターによる将来予測の責任者の一人として活躍している江守さんによる常日頃の主張です。長時間のビデオですので、時間のある時に見て下さい。URLは以下です。
https://www.cps-jp.org/modules/mosir/MovieList.php?y=2014&emori