台風20号が近づいていますが、今年藤沢付近を通過した、台風18号、19号について、小松会員がグラフにまとめてくれました。
こちらのページをご覧下さい。
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寄崎様からの情報では10月6日の台風接近時の気象データは
気象庁
左:6日朝6時の地上天気図 右:進路予測、予報円の中心をほぼ進んだ。
北半球水蒸気画像:白蛇のようだ!
角田会員からの情報では午後1時半頃彩雲が見られたそうです。アップしてくれますか?
なお、境川遊水地公園の映像があります。これがあって境川が氾濫しなかった?
9月25日0時頃台風16号は東シナ海で勢力を失って、台風の暖気が寒気と接触したことでひときわ過度の大きい温帯性低気圧が発生しました。低気圧は東進しながらすぐに閉塞前線を作り、中心から南西の広い雨域(東海地方)に大雨をもたらしました。この雨雲は初め丹沢にも少雨を降らせましたが、やがて南下し、箱根、伊豆を乗り越えること無く、小田原付近では消えています。県内では厚木、横浜、藤沢など点々と降らせていましたが、やがて雨はあがりました。寒冷前線が中心から南西に長く伸びていますが、午後2時〜3時頃には激しく動く雲が浮かぶ青空となり、10〜15m/sの強風が吹きました。
午後2時半頃から次第にそれまで雲は全くなかった関東平野一体に雲が出始め、やがて発達して雨雲になっていきました。おそらくこの台風がもたらした湿った大気を大量に含んだ温帯性低気圧が通過した後に、上空に寒気が入ってきたからではないかと思われます。日射により地上気温が高く水蒸気量は多い空気と、上空の寒気との温度差が大きくなり(不安定になり)積乱雲が生じました。藤沢も少雨が降りました。その後南寄りの強風がやむとともに、北風に変わり涼しくなりました。藤沢AWSからそのことがよくわかります。台風の消滅によりその熱エネルギーが温帯性低気圧にどのように引き継がれていったか?を考える大変興味あるデータです。
91年前の大正末期にはまだ天気図は作成されていましたが、気象情報を国民は知らすシステムは出来ていませんでした。台風とそれに伴う温帯性低気圧からのびた寒冷前線通過による強風のふく中、大地震が発生し大災害になったのです。新聞に天気情報が掲載されたのは翌年、ラジオ放送が始まったのは3年後の昭和元年のことです。
図1 台風16号(999hPa)と閉塞前線を伴った温帯性低気圧(1002hPa) 気象庁天気図(左:14日3時、右:同日18時)より
図2 気象庁レーダーナウキャスト(左:25日10時、右:同日18時)
図3 藤沢AWS(上段:風向=青色、表示の180度は南風、赤色は最大風速10〜15m/s)
(中段:赤色:気温、緑色:湿度)(下段:黄色:日射量、水色:降水量) 藤沢AWSより
台風16号が東シナ海で消滅(最大風速が弱まり)し、寒気と接触したことで台風の運んできた熱エネルギーが渦度が大きい温帯性低気圧を産みました。低気圧は進みながら閉塞前線を作り、南西に伸びた寒冷前線の南側にある雨雲を伴って名古屋に大雨をもたらしました。この雨雲は初め丹沢にも少雨を降らせましたが、やがて南下し、箱根、伊豆を乗り越えること無く、下降気流で小田原にはふらせませんでした。県内では厚木、横浜、藤沢など点々と降らせていましたが、やがて雨はあがり、午後2時〜3時頃には激しく動く雲が浮かぶ青空となり、予想通り10〜15m/sの強風が吹きました。
(91年前の9月1日は九州から台風が上陸し、瀬戸内海を抜け正午頃北陸に達したころに地震が発生しました。台風は弱まって前線をともなう温帯性低気圧が通過時に30m/sの強風がふきました。火災の同時発生が火災積雲を産んで火災旋風を発生させ大勢の人々の命を奪いました。)
さて、9月25日午後2時半頃から次第にそれまで雲は全くなかった関東平野一体に雲が出始め、やがて発達して雨雲になっていきました。温帯性低気圧に伴う寒冷前線が箱根や伊豆半島で雨を降らしている間関東平野はよく晴れていました。そのため関東平野は日射が強かったようです。そこへ上空から寒気が入ってきたので地上との温度差で(不安定になり)積乱雲が生じたのだろうと思います。この積乱雲は東京や藤沢も雨をふらせました。積乱雲はやがて房総半島から東に抜けました。
藤沢AWSの2日間の情報では南寄りの強風がやみ北風に変わり涼しくなったことがわかります。